「開示した」ことと「できている」ことは違う。本書は、知財・無形資産ガバナンスガイドライン Ver.2.0 を物差しに、自社の知財IR対応の現在地を 5 つのプロセス × 4 段階の成熟度で棚卸しする自己診断ガイドである。読み手は上場企業のIR・経営企画・知財・財務部門の実務担当者・責任者を想定する。
2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂から5年。コーポレートガバナンス報告書や統合報告書に知財・無形資産の記述を置く企業は珍しくなくなった。しかし実務の現場でしばしば起きているのは、「開示した」ことと「できている」ことの混同である。開示文言は存在するが、その裏側にあるべきプロセス──資産の棚卸し、戦略への位置づけ、取締役会の監督、投資家との対話──が伴っていない。この状態は、投資家との面談で一段深く問われた瞬間に露呈する。
さらに、2026年2月に公表されたコーポレートガバナンス・コードの改訂案を受け、上場会社は2027年7月末までに改訂コードに準拠したコーポレートガバナンス報告書の提出が求められる見込みである(改訂内容・期限の確定は、東証・金融庁の一次資料で確認されたい)。本書の診断フレームは、この改訂対応の準備作業の出発点としてそのまま用いることができる。
本書は法的助言・開示助言・投資助言・監査保証業務のいずれでもない。診断枠組みは自己評価のための参考であり、各原則への準拠や開示の適法性・十分性を保証するものではない。分析時点は 2026 年 7 月(CGC改訂は「案」段階の情報を含む)。詳細は本文の免責事項を参照されたい。
本文には図7点(いずれも説明用の模式図)と、プロセス別の判定基準表・よくあるギャップ・埋め方の方向を収録。
本診断は、この開示層と実態層を常に突き合わせて判定する。プロセス別の判定基準(4段階)、よくあるギャップ、埋め方の方向は本文に収録しています。
本書のプロセスI(現状把握)に対応する無料セルフチェックを、匿名・ブラウザ内処理でご利用いただけます(ブラウザ内処理は診断ツール側の入力を指します。診断の入力値はサーバーに送信されません。本ページ下部のPDF請求フォームは、送信ボタンを押した内容のみフォームサービス経由で送信されます)。
結果を持って全文(本書)を読むと、「自社はどのプロセスから点検すべきか」が具体化します。
本書は「自社はいま、どこまでできているのか」の棚卸しを扱います。その先の「投資家に何を語るか」は、対をなす WP08『投資家は、知財のどこを見るか──発行体のための「開示の翻訳」ガイド』 が扱います。診断(本書)と翻訳(WP08)の往復をおすすめします。
フォーム送信後、本文ページへの 30 日間有効リンクを表示します(本文ページからPDF版もダウンロードできます)。営業目的の連絡はいたしません。上場企業のIR・経営企画・知財・財務部門の実務担当者を主な読者として想定しています。
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