1. 何を予測していたか(観測前に登録済み)

当社の動的専有理論は「技術サイクルの短い分野ほど、特許を維持する経済的意味が早く失われる」と考えます。この理論から、次の2つの予測を観測開始前に登録しました(2026年7月4日登録・同5日改訂版。登録後の言い換え・削除は行っていません)。

2. 初回観測の結果:主予測は支持されませんでした

結果:不支持。 欧州特許庁の公開データベース(EPO Open Patent Services)から日本特許の法的状態を取得し、出願後5年時点で比較したところ、両分野とも後期群の方が生存率が高い(=放棄が少ない)という、予測と逆方向の結果が観測されました。用量反応チェックは仕組み上「支持」と出ましたが、主予測が逆方向である以上、理論の支持を意味しません。この結果は2026年7月6日に内部記録として確定し、改変していません。

3. 追加分析でわかったこと:この観測窓では、そもそも検定できなかった

結果確定後、判定に用いた失効コードの実データ照合と、観測時点の妥当性検証を行いました(追加分析であり、上記判定は変更しません)。

  1. 失効イベントの実像:日本特許の失効(LAPS)は出願後5〜11年、最頻10年目に集中していました。これは特許年金が10年目前後で大きく増額される料金構造と整合します
  2. 床効果:比較時点とした「出願後5年」は、失効の96%以上がまだ起きていない時点でした。後期群(2019-21年出願)は2026年時点で失効集中年齢にそもそも到達しておらず、失効ゼロ件。「後期群の生存率が高い」のは理論と無関係に、観測の打切りから機械的に生じる結果でした
  3. 判定コードの精査:当初の失効判定には、出願段階の取下げ(6件)が混入していました。登録された特許の年金不納失効(74件)とは別の事象であり、以後分離して扱います

正確な総括

初回結果は「理論が反証された」ではなく「この観測窓では検定不能だった」です。ただし、登録済みの判定(不支持)はそのまま記録に残します。判定の書き換えではなく、次の観測をより鋭く設計するのが事前登録の作法だからです。

4. 次の検証(すでに登録済み)

5. 副産物として得られた観察(予測ではありません)

前期群(2013-15年出願・登録特許)単独の記述統計として、ソフトウェア系分野の生存率は10年目に急落し、11年時点で素材・機械系との差が15ポイント超となる傾向が観察されました。「短サイクル分野の権利者は、年金の増額点で一斉に権利を見切る」という解釈と整合しますが、これは分野間の水準差の観察であり、時代変化の証拠ではありません。正式な検証は上記の新登録予測で行います。

6. なぜ外れた結果を公表するのか

支持された結果だけを公表する実務は、理論を強く見せますが、確かめられなくします。当社は自社理論に対しても、観測前の予測登録・結果の無条件公表・外れた場合の対抗仮説の明示という規律を適用します。本記録がその運用の実例です。登録済み予測の全一覧は「予測スコアボード」(※URL確定後にリンク設定)でご覧いただけます。

方法の詳細(データ源・コード表・再解析手順)は技術補遺として別途公開予定です。本記録は特定企業の特許を評価するものではなく、分野レベルの集計のみを扱っています。データはEPO Open Patent Servicesの利用規約に従い、集計値のみを掲載しています。

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