集中度(Concentration)とは、知財ポートフォリオが特定の技術領域、特定の事業セグメント、 特定の地理的市場にどれだけ集中して構成されているかを示す概念です。逆の概念は「分散度(Diversification)」 です。
測定指標
集中度の測定には、複数の指標が用いられます。
- ハーフィンダール指数(HHI):シェアの2乗和。最も広く用いられる集中度指標
- 上位N社(領域)集中率:上位N位までで全体の何%を占めるか(例:CR3、CR5)
- ジニ係数:所得分布分析等で用いられる指標。知財ポートフォリオの偏在性測定にも応用可能
- エントロピー指標:情報理論に基づく、分布の均一性指標
知財ポートフォリオにおける集中度の意味
知財ポートフォリオの集中度は、企業の戦略的選択を反映します。
高集中度(極限集中型)は、特定領域での極限的技術優位を意図する戦略を示します。 資源を一点集中することで、参入障壁を極大化できますが、当該領域の市場変化への脆弱性が高まります。
中程度集中度(重点集中型)は、限定領域での競争優位を狙う戦略を示します。 2〜3の重点領域に資源を配分し、他はカバーしないアプローチです。
低集中度(分散防衛型)は、複数事業の並列防衛を意図する戦略を示します。 多角化企業に多く見られる構造で、一つの市場変化に対する耐性が高い反面、各領域での投資密度が低くなります。
分析上の注意
集中度の絶対値ではなく、事業戦略との整合性が判断の中心軸です。事業戦略が「特定領域への 集中」を志向しているのに知財ポートフォリオが分散している、またはその逆の状態は、戦略と知財の不整合を 示唆します。