Multi-Period Excess Earnings法(MPEEM、多期間超過収益還元法)とは、 Excess Earnings法を複数期間に拡張した無形資産評価手法です。対象資産が複数年にわたって生み出す 超過収益を、各期ごとに予測し、それぞれを現在価値に割り引くことで、当該無形資産の総価値を算出します。
計算プロセス
標準的なMPEEMの計算プロセスは以下のとおりです。
- 対象資産が貢献する事業の将来キャッシュフローを、5〜10年程度の期間で予測
- 各期について、Contributory Assetへのリターン(Contributory Asset Charge)を控除
- 残余として算出される超過収益を、各期ごとに特定
- 適切な割引率で、各期の超過収益を現在価値に変換
- 残存価値(Terminal Value)を考慮して、全期間の現在価値合計を算出
適用場面
MPEEMは、現代の無形資産評価実務における中心的な手法のひとつとして広く採用されています。 特にM&A取引における購入価格配分(PPA)、顧客関係や独自技術の評価、IFRS基準下での 無形資産識別において、第一選択の手法となることが多いです。
長所と限界
MPEEMの長所は、対象資産の経済的実態を直接的に反映できる点と、複数期間にわたる超過収益の動的な 変化を捉えられる点です。短期間で価値が大きく変動する無形資産(顧客関係、技術等)の評価に特に有効です。
限界としては、Contributory Asset Chargeの算定に複数の仮定を要する点、将来予測の主観性が 評価結果に大きく影響する点が挙げられます。